AI(人工知能)とは何をさすのでしょう?
例えばAIと聞くと、人間のような思考をもったロボットをイメージする人が多いと思います。
AI技術の中にニューラルネットワークという技術があります。これは、人間の脳の中にある神経細胞をネットワークで再現する技術なのです。
要は、人間の脳の機能をコンピュータに組込もうとしているのです。
たとえばiPhoneの「SIRI」。
「朝7時に起こして」
と声をかければアラームを朝7時にセットしてくれます。
まるで、SIRIが一人の人間のようにiPhoneを制御してくれますが、これは人工知能なのでしょうか?それとも・・・。
AIの歴史をひも解いてみよう
1956年第一次AIブーム
AI=Artificial Intelligence
とは、1956年に始まりました。
1956年の日本では高度成長期に突入した翌年となります。
冷蔵庫、洗濯機、テレビが三種の神器といわれていた時代。まさに映画「ALWAYS三丁目の夕日」のような時代です。
当時はコンピュータに処理をさせるにしても、コンピュータの能力に限界があり、AI研究者の思い描いていたとおりには事が進みませんでした。
そのため、実用的な成果を上げるに至らないまま、無言の時間が10年以上が過ぎます。
1980年代に入ると、ある特定の条件を満たすことでAI技術を進めることが出来るようになりました。
それは、コンピュータが処理するための分野を絞り込み、専門的な知識をコンピュータへルール化させることで、処理出来るようにしたのです。
先ほどのSIRIの話と同じようなものではないでしょうか?
「朝7時」
「起こして」
このキーワードをインプットしたコンピュータは、ユーザーが何をしたいかをプログラムされているため、アラームをセットするという流れとなっているように思えます。
2000年~第二次AIブーム
2000年代に入るとインターネットが普及し、専門分野だけでなく個人の日常のやり取り(チャットや掲示板)などから、より人間的なデータが増えてきました。
すると、膨大なデータから知識を取得することが出来るようになったのです。
2010年~第三次AIブーム
過去2回にわたってAIブームが訪れましたが、今現在は3回目のブームに突入しています。
今回の人工知能ブームでは何が行われれているのか?
現在のAIでよく聞く言葉に「機械学習」というものがあります。
コンピュータが自発的に学習してくれるわけではないので、学習する能力をコンピュータへ与えるということです。
コンピュータ自身が学習する能力を身につけただけでは、人間的に正解なのか不正解なのかコンピュータ自身が分かりません。これを判断していく技術が「ニューラルネットワーク」となります。
例えば、ねこの画像を判断するという有名なプログラムがあります。
人間は猫の特徴を自然に学習しているので、「これは猫」「これは犬」と判断することができます。
しかし、コンピュータは画像を見ることができませんし、画像に何が写っているのかわかりません。そもそも画像も文字と一緒で01の羅列でしか認識できないのです。
そこに、人間が「これは猫」「これは猫じゃない」と経験を与えることで、プログラム内では猫の特徴をつかんでいきます。その「特徴に合致する部分が80%あるので猫」と判断するのがニューラルネットワークです。
上記のように機械学習の技術の中にはニューラルネットワークというものがあります。同じような技術として「ディープラーニング」という機会学習もあります。
これは、ニューラルネットワークと同じような考え方ではあるのですが、特徴の捉え方が変わってきます。
ディープラーニングでは、より大雑把な情報から特徴を見出そうとする仕組みがあります。
しかし、情報が大雑把になると判断が出来なくなってきますので、判断が間違っていた場合は、再度入力する猫の画像から猫かどうかを判断させるようコンピュータに学ばせて、精度を上げていくという仕組みです。
夢のAI、その先には
人間みたいなロボットの作成がゴールだと思いますが、ロボットは人間や他の生物と違う点があります。
ロボットは痛い、幸せ、間違って恥ずかしいなどの感情がありません。
ある医療AIでは人間の熱を下げるために何をするか?という問いに対し「殺す」という回答を出したこともニュースで取り上げられていましたね。
人間的には無慈悲だと思う部分がありますが、感情がないため踏み込んではいけない領域がわからないのです。
また、生き物の生活は数学のように正解がひとつという世界ではないため判断が出来ないのです。
しかし、昔のようにコンピュータの能力不足や通信速度の問題などは解消される時代になっています。
自分が思っていることを実行してくれる人間的なロボットが生まれてくるのは、もう少し先の未来だとしても実現可能になってきているのです。